2012年10月31日

ペニスゲイザーとAppleへの苦言。

しかし頸椎椎間板ヘルニアがホント辛いんですよ。
すでに一年以上のキャリアになんのか。
これって一年以上、ずっと寝違えた状態が続いてるようなもんでね。地獄です。
大まかに言うと、首の後ろあたりの骨と骨の間を通ってる神経があって、
その骨の間隔が極端に狭くなってて、神経が常に圧迫されてる状態なのな。
放っておくと、神経の末端、指の先まで電気が走ったように痺れてくる。
なので、数分に一度はグーッと真下を向いて、
首の後ろの骨と骨の間隔を開けて、神経を開放してやんなきゃいけないんだけども、
周囲から見れば「なんであの人、時々チンコを確認してんだろう」って光景になるわけですよ。
80年代に下を向いて気怠い様子で演奏する音楽スタイルが
シューゲイザー(Shoe Gazer=靴を見る人)と呼ばれたけど、
それで言うなら、さながらオレはペニスゲイザーってところか。
悪くないな、ペニスゲイザー。首の痛みを呟くだけのツイ垢取ってみっか。
ホモと間違ってフォローされたりして。

iPhoneの日本語変換ってホントバカで嫌んなる。
この日記もiPhoneで書いてて、変換→決定→あ、間違えた→消去→打ち直し、の羽目に何度陥ったことか。
Appleも金持ってんならBaidu(Simeji)でも買収すりゃいいのに。
いっそジャストシステムがAppleを見切って、
CydiaでATOKをリリースしてくんないかなあ。3,000円でも買うぞ、オレは。

ついでにAppleへの悪口をもうひとつ。
iPhoneってJavascriptエンジンを二つ積んでて、
速い方のエンジン(Nitro)はSafariとiBooksでしか使えないようにしてんのな。
つまりサードパーティーの作るChromeやSleipnirなんかのブラウザはもちろん、
TwitterやEvernote、Facebook、Tumblr、Dropbox、2chなど諸々に関連したアプリ、
内臓ブラウザやJavascriptを使用するアプリはすべからく、遅い方のエンジンを使わざるを得ないんだとか。
その速度、Nitroに比べてたった四分の一! ケチくさっ!
つーか、遅いJavascriptエンジンを搭載する意味がまずわからないんだけど。嫌がらせ以外の何ものでもない。
管理という口実で儲けを独占するiTunes Storeといい、
こういうAppleの古い企業体質って本当に嫌い。
でも利用者数と比例するアプリやサービスの量と質でスマホはiPhone一択の現状、
これってヤフオクと一緒よな。シェアさえ取れば後はやりたい放題っていう。


■ 今日の一曲
Twitterでも書いたけど、秋休み(Autumn Vacation)って韓国のバンドがいい感じ。
「英語、日本語以外の言語だとポップスが新鮮に聞こえる」って方程式はいまだ健在。
日本盤のアルバムはこちら

秋休み - ところにより雨

2012年10月26日

環境作りという趣味。

ハッ! 42歳にしてようやく気付いた!
オレは「最高の環境を作る」ことがたまらなく好きだったんだ!
ブラウザを変えたりユーティリティソフトを使ったりしてPC環境を日々改善してるのもそう、
映画やドラマのDVDを焼きまくってるのもそう、聴かないMP3を集めてるのもそう、
iPhoneを脱獄して毎日新しいTweak探しをしてるのもそう、
お笑い番組を録画しまくってるのもそう、部屋の整理整頓もそう、
PCやiPhoneに使わないソフトを多数インストールしてるのもそう、
エミュレータのロムイメージをコンプしてるのもそう、
未読の本が山積みになってるのに更に買っちゃうのもそう・・・。
もちろんこれらのことは好きでやってんだけど、音楽も聴いてない、ゲームもやってない、
映画もたまにしか見ない、録画も数週間分たまってる、本も最近読んでない。
だったらどうしてそんなことやってんだ、ってのを上手く説明出来なかったんだけど、
つまりゲームをしたり、音楽を聴いたり、本を読んだり、映画を見たり、
PCで動画の編集作業をしたり、iPhoneで写真を加工したり、
部屋に友達を招いて桃太郎電鉄大会を開いたり、
さらには小説を書いたり、プログラミングをしたり、作曲したり、芸人を目指したり・・・。
いざそれらのことを「やろうと思えばいつでも出来る」環境を作るのが目的だったんだな、と。
そしてその環境を作ることで、そのやりたいことや夢を叶えた気になって満足してるわけで。
で、もう満足してるから、実際にやるかやらないかはまったく別の話。
ようやく自分の趣味の目的を理解すると同時に呆れた42歳の秋。
大学入試前、無数の参考書を買い込んだ時点で満足し、
一切勉強しなかった当時のオレとまったく変わってないことに愕然&失禁。

乞食が嫌いだわー。心底嫌悪するわー。
あ、乞食ってのはホームレスのことじゃないよ。
ホームレスの方々は人として尊重してるからね、オレ。
じゃなくて、心の極めて貧しい輩を乞食と呼んでるわけですよ。
ホームレスと違って性格的なところだから、治せるのに治さないところに軽蔑と侮蔑を込めてね。
近所にイトーヨーカ堂があって、大型スーパーだから試食の類もたくさんやってんですよ。
「試食」だよ? 試し食いですよ、購入前の。
なのに、お茶屋さんの店先に置かれてる試飲用のお茶を、
喉が渇いたからって買う気もないのにタダ飲みしていく醜いおっさんおばはんの多いこと多いこと。
「お姉ちゃん、それちょうだい」と手渡されたお茶を一気飲みしてすぐに去っていく、その光景の悲しさよ。
喫茶店に行くでもなく、ペットボトルを買うでもなく、
タダだからと恥じることもなくそれを飲めちゃう神経の図太さがね。
もうおまえらが今の不況を作ったんじゃないかってほどにオレは憤ってんですよ。
店側が「無駄な経費」を負担してることにも気づかない振りをして、
100円200円をケチるその乞食独特の汚れた金銭感覚ね。
嫌いだわー。今すぐ死んでほしいわー。


■ 今日の一曲
最近無意識に口ずさんでたこの曲。
「誰の曲だっけ?」とググったら渡辺真知子で、
ということは小学生のころにザ・ベストテンで聴いた程度の、
しかも当時そう大して好きでもなかった曲のフルコーラスを、
オレの脳味噌はしっかり片隅に記憶してたってことで。
三つ子の魂百まで。脳ってすごい。

渡辺真知子 - 唇よ、熱く君を語れ

2012年10月15日

SNSが「運動」を助長する。

ちょっとお固い内容になりますが、現代の「運動」についての話。
原発云々よりも、こういう厄介な人が増えてきてるんじゃないかなー、と危惧してる今日このごろ。

原発問題ってのは本当に難しい。
まだ解明されてない部分があるんだから、容認か反対か、専門家でも意見が別れるのは当然で。
解明されてない、つまり今後どういう影響があるのかがはっきりとはわかってない現時点では、
「容認派か反対派か」ってのは突き詰めると、
「性格が楽観的か悲観的か」ってところに行き着くのかもしんない。

オレは「諦めちゃった容認派」で、不安の多い原発を是とはしてないけれど、
「もうすでに原発がある」以上、それをなくすことは鼻から諦めてて。
物理的な面でも経済的な面でも、今がすでに「原発がある世界」になってしまってるんだから、
それをなくそうとすると、過去にタイムスリップでもしないかぎり無理だよなと。
今から自動車やパソコンをなくそうと思っても無理なのと一緒で。
どうせなくならないものなら容認して、共生の道を探していくしかないんじゃないかなあ。

ま、それはオレ個人の考えで、容認派か反対派かってのは人それぞれでいい。
みんながそれぞれ、自分の頭で考えていけばいいことで。
だけど、そういった問題を考えるにあたって、
TwitterやFacebookなんかのSNSがすごく障害になってるなーとは思うんだよね。
・・・って、もうオレのSNS批判は聞き飽きた?(笑)

人って自分にとって心地いい意見しか取り入れなくなる生き物でさ、
いわゆる「バカの壁」っての?
意識的・無意識的に壁を作って、自分と異なる意見を排除すんのよな。
でもそれって社会問題とは関係なく、みんなが当たり前にやってることでさ。
面白い、即ち自分と感性の合う人はフォローするし、
面白くない、即ち自分と感性の異なる人はフォローしないし。
で、そういった感性の相違なら全然問題ないんだけど、
これが社会問題になると、異なる意見が耳に入ってこないって致命的でしょ。
本人も気付かない間にどんどん閉じた思考になって、右に左に流されていっちゃう。
そりゃ新聞にだって雑誌にだって偏りはあるけど、
個人の発言がすべてのSNSはその傾向が極めて強いのよな。
しかも、これはSNSの不思議なところなんだけど、
2chやブログなんかで知らない情報を目にしたら「マジで?ソースは?」と疑問を抱くにもかかわらず、
これがSNSだと相手を信じてるからか、ソースのない情報を素直に受け入れちゃう人の多いこと多いこと。
その結果、大量のデマが出回ることになって、さらなる混乱を招く。
それに、誰だって自分の意見と異なる都合の悪い情報をあえて書かないでしょ。
ネットが始まったころ、個人がマスコミと肩を並べて情報を発信出来る、なんて盛り上がったけど、
皮肉にも「情報の偏り」もマスコミと肩を並べちゃったわけだ。

ひとまずSNSの話は置いといて、今日の核心の「運動」の話。
今後核廃棄物 をどうするか、放射線にどう向き合うか、って問題も重要なんだけど、
オレが厄介だと思ってんのは、この原発問題に起因する弊害でね。
この原発問題が「運動」を身近にしちゃったって側面は、結構ヤバいことだと思ってて。
各地で原発反対、瓦礫受け入れ反対のデモが起こって、
それ自体は個人の意思を伝える手段として自由だと思うのね。
で、国内のデモなんて、参加してみれば案外普通だったりするわけでしょ。
多少の怒号はあっても、ゲバ棒もなければ火炎瓶もない、日常と陸続きの光景で。
それで「運動」に対する垣根がグッと下がっちゃうんだよな。
そして参加したことで連帯感が生まれて、「何かをやった気」になる。
この「何かをやった気」ってのは楽に得られる、ちょっとした麻薬的快感なんだよね。
また快感が欲しくなって、そこから「運動」の連鎖が始まる。
反対運動をやってる時点で、すでに国家に対して不信感を持ってんだから、
誰かがそっと背中を押してやれば、もう左翼活動家の出来上がりですよ。

じゃあ原発に反対しただけで左翼扱いされてしまうのか。
何をもって左翼活動家とカテゴライズされるのか。
そんな左翼発見器として実にいい働きをしてくれるのが「オスプレイ問題」でね。
オスプレイ(MV-22)は今までの配備機より安全だってことは、すでにデータで証明されてる
基地問題はあるにせよ、オスプレイという特定の機種をを叩く理由はどこにもない。
それなのにオスプレイ配備反対を声高に叫ぶ人は・・・もう染まりきってるよね。真っ赤っか。

そもそも原発で問題意識に目覚めて、
自分たちの生活や未来を守る、って主旨で「運動」をしてた人たちなのに、
じゃあどうして自分に直接関係のないオスプレイ問題に行っちゃうのか。
もちろん本人の素養もあるだろうけど、
その悪しき要因のひとつとなってるのが、SNSだと思うんですな。

普段は反原発関連の発言やらリツイートやらをしてるフォロワーから、
ある日「オスプレイの配備も問題だ」と拡散されてくる。
そこで「それはまた別の話なんじゃないか?」と疑える人はいいんだけど、
信頼してるフォロワーがそう言ってんだから間違いない、って、素直な人ほど同調しちゃうのな。
SNSで生まれる「繋がり」と「拡散」ってコンビネーションは本当に諸刃の剣で、
オレが新興宗教を立ち上げるとしたら、間違いなくSNSを勧誘の手段に選ぶもんね。
良い意味でも悪い意味でも結び付きを助長する、
こういったSNSの功罪ってもっと語られてもいいと思う。

だからね、何が言いたいかというと、別にSNSが悪いってんじゃなくて、
SNSをするならそれなりのネットリテラシーが必要ですよってこと。
常に客観性を意識して、発言には責任が伴うことを理解しないと。
ネットの中じゃオスプレイは殺戮マシーンってことになってるし、
在日韓国人には悪人しかいないってことになってるし、
それらを鵜呑みにすると足下を救われますよ、っつー話。自戒も込めて。

2012年10月10日

窮屈な電脳空間。

オチも何もない独り言なんですけどね。

なんだかね、ネットって好き勝手言える場所だったはずなのに、
いつからか実社会以上に発言に気を遣う、不自由な場所になってない?

例えばディープなロリコンの人が「NO LOLITA, NO LIFE」ってブログを開設したとして。
「成人女性なんかと違って幼女はアレやコレがいいんだ」と毎日力説したとして。
これ、倫理的な話は置いといて、書くこと自体は別に犯罪でもなんでもないわけ。
単に趣味の主張をしてるだけで、「今日見た映画が面白かった」と書くのとなんら変わらないわけ。
不快に感じるなら見なきゃいいだけでさ、存在自体は決して悪じゃない。

そんな「不快なら見ない」って当たり前の選択を出来る人が減って、
「不快なら叩く」って自己中心的で稚拙な正義を振りかざす人が増えた気がするんだよなあ。
自分のブログなんかでさ、「あのロリコンブログは酷い、最低」なんて
批判や反論を書く程度なら全然いいんだよ、それは個人の自由な意見だから。
オレだって、過去にスポーツ批判やTwitter批判を何度も繰り返してきたし(笑)。
ただ、今はそれが相手への直接攻撃に走りがちだよなあと。
相手のプライバシーを侵害したり、ブログ閉鎖に追い込んだり、つい行動に移しちゃう。
例えばフジテレビデモをやってたキチガイなんてその最たる例よな。
「不快なら見ない」っていうだけの簡単なことが出来なくて、
不快なのに気になって気になってしょうがなくて自ら怒りを増幅させて、
あれこれ勝手な理由を付けて自分に正当性を持たせて対象を叩く。
でも、とどのつまりは「自分が気に入らないから」でしかないんだよね。
ちなみにあれって嫌韓の運動だったはずなのに、本人たちが一番火病ってるってのはギャグなの?
「政府と東電は嘘ばかり!」って叫んでる原発反対派が一番デマを垂れ流してるのにも笑っちゃうけども。
あ、話が逸れた。

そういう人たちってさ、ネットで個人の意見が発信出来るようになって、
TwitterあたりのSNSでその意見を拡散出来る快感を覚えて、
その意見に同意してくれる仲間がいることに興奮しちゃって、
自分が万能でもあるかのように過信した人たちなんだろうなあ。
ネットで万能感持っちゃうって・・・すげーダサくないスか?
仮に万能であったとしても、それを行使する権利なんてないはずなんだけどね。

早い話が幼稚なんだよな。
そりゃオレだってチン毛が生えただけの子供みたいなもんですよ。
でもね、それ以前の、感情をコントロール出来ない人が増えてるよなあって。
そういう幼稚でわがままで自分勝手な人って、
自分の怒りが世論と噛み合わない、賛同者がいないときってどうなっちゃうんだろう。
自分の思い通りにならない苛立ちから憤死するんじゃなかろうか。
そうならないためにも「スルーする度量」ってのが必要だよね、このご時世。

で、そんな人たちが増えてきたことによって、
ネットで「何も発言しないことが勝ち」って風潮になってきてる感があって。
発言するなら匿名で。顔を出して発言するなんて危険すぎる、みたいな。
言葉狩りがあるんなら、何も喋らないのが一番、って論理。
でも、それってどうなんだろうか、と思う。
無限の可能性がある、なんて言われてたネットの結末がそんなもんなら寂しすぎやしないか、と。

ま、冒頭に書いたようにオチはないんですがね。
犯罪が横行するような自由すぎるネットも問題だけど、
なんだか妙に真面目で窮屈なネットも嫌だなあと思った次第。

なんだかひさしぶりに毒を吐いてスッキリしたから、次回は社会問題に吠えるよ。ワンワン!

2012年10月9日

赤いナタリー。

五年前にバンコクに遊びに行った際、たいがいな目に遭ったということは以前に書いた。

バンコクにはチャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットという、
土日だけ開催される世界最大規模のフリーマーケットがあってね。
行く度に「一日じゃ回りきれんなあ」と思ってはいたものの、それもそのはず。
調べてみると、その敷地面積は実に甲子園球場の約100倍だとか! すげー。

それだけの広大な敷地が露店で埋まってる様は圧巻で、
そこでは衣料や雑貨、食品はもちろん、家具やペットまでもが売られていたりする。
でも個人的にはいかにもアジアンな雑貨って好みじゃないし、
アジア製の服のセンスってなかなかどうしようもないんで、
オレはそのマーケットに行く度、中古のスニーカーを何足も買って帰ってくんのね。

やっぱアジアだけあって、新品で売られてるスニーカーはほとんどがコピー品なんだけど、
中古に関しては、外国人の貧乏バックパッカーが金に困って売ったりするから、
ちゃんと本物の、日本の古着屋でもなかなか見かけない珍品が転がってたりもして。
いや、実はそれも「コピー品の中古」なのかもしれないんだけど、
ある程度履き古すと、コピー品が持つ「いかにもコピー品な感じ」って消えるでしょ?

ちょっと脱線するけど、オレ基準としては「もしコピーでも、本物と思えればオッケー」なのね。
オレが本物と思って買って、本物と思って履いて、本物のように満足出来れば、それはもう本物じゃん、と。
逆にいくら精巧でも、コピーとわかっちゃったら買いたくない、みたいな。

閑話休題。
ウィークエンド・マーケットにはそういう中古スニーカー専門の露店が何軒もあって、
そこには身長ほどの高さにスニーカーが山積み(本当に山積み!)されてるわけ。
そこで宝探しよろしくゴソゴソと山を漁って、自分好みのスニーカーを探しのが楽しくてさ。
やっぱりナイキやニューバランスなんかはバンコクの金銭価値からすると結構高いんだけど、
それでも日本の古着屋なんかと比べたら3分の1くらいで買えちゃうから、
行くと毎回4、5足まとめ買いして帰るのね。

さて、長い前置きを経て、ここからがようやく本題。
五年前にそこで買ったクラークスのナタリーがありまして。
スニーカーではないけど、その山から掘り起こした逸品。
もともとナタリーは好きだし、コンディションもなかなかいいし、
とにかくこの美しい発色のスウェードにガツンとやられちゃって。
左右の「Wallabees」のロゴの色が違うのもイカす。
赤いスウェードのナタリーって見たことないからコピー品の可能性も捨てきれないものの、
「海外の限定品かも」と、そこは先述したように「本物と思い込んで」自分を納得させてさ。
値段も約4000円と、バンコクにしてはそこそこしたものの、
サイズもピッタリだったし、この出会いは大事にしなきゃと迷わず購入。

でも、なかなか赤いスウェードの靴って履く機会がなくてさ、
ここぞってときに履こうと思って、ずっと大事に取っておいたのね。
で、今年初旬の引っ越しまで、五年間一度も履かずに靴箱に収めたまんまで。
さすがに今後はもうちょっと履きたいな、なんて、
引っ越しの整理をしながら、靴を足に合わせてみたわけ。
・・・あれ、小さい?
纏足でもされてるかのように、つま先がギューっと締め付けられて、
とても履いて出かけることなんて出来ない痛さで。
でも買ったときはジャストサイズだったんだよね。
だから、オレの足って五年でデカくなっちゃったのかな、とか、
スウェードって手入れを欠かすと縮んじゃうのかな、とか、いろいろ考えたんだけど、
よくよく見ると、根本的な欠陥が。
さ、左右のサイズが違う
左は27.0なのに、右は26.0! 買ったとき、左足しか見てなかった! ショック!

おそらく山積みの中で互い違いになってたんだろうなあ。
五年間「とっておき」だったナタリーは、引っ越しの整理中だったこともあり、即処分と相成りました。ギャフン。

2012年10月6日

エアコン事件。 【後編】

気まずい作業が始まって一時間半ほどが経過。
必要なネジが足りないことが判明して(プロがそんなことでいいの?)、
おじいちゃんが急遽、近くのコーナンまで車で買い出しに行くことに。
その間、オレはリビングにいて、おじさんは寝室で黙々と作業をしてくれてたんだけど、
数十分が経ち、ふと気付くと、作業してるような雰囲気がない。
そーっと見に行くと、寝室におじさんの姿がなくて。
おかしいなと思い、玄関のドアを開けると、
・・・おじさんがマンションの廊下で昼寝中! おい、マジか !?
おじいちゃんもアレだけど、この人も充分にアレ!

壁にもたれ、プーさんスタイルで昼寝してるおじさんを見下ろしながら、
オレはどうしてこいつらに工事を依頼したのかと反省することしきり。
あのとき、キャンセルする勇気がオレの中にあれば・・・。

一時間ほどして、ようやくおじいちゃんも戻ってきて、
作業を再開するも、まだ足りない部品があるようで、それは取り寄せになると。
そんなわけで、朝から都合四時間ほど居座った挙句、
結局エアコンは取り付けられないまま、一旦帰ることに。もう無茶苦茶ですよ。
事前に「先払いで」と言われていたにもかかわらず、ドタバタで忘れられてた工賃の話を振ってみる。

オレ「ところで、あのー、工事代の件ですが」
爺「えーと、それじゃ取り寄せの部品代込みで二万五」
おじ「(話を遮って)いえ! 今日はもらえる段階じゃないので結構です」
爺「えっ」

もうね、二人の対立がハンパないの。
おじいちゃんの商魂と、おじさんの職人としてのプライド(昼寝しつつも)がぶつかりあって。
でも、お互い表立って揉めることはなく、水面下で牽制し合ってる感じなのよな。
で、今回はおじいちゃんが矛を収める形になって、1円も支払うことなくお開きに。

一週間後、足りなかった部品の取り寄せを済ませ、
作業の続きが始まったんだけど、今度は三人に増えててさ。
どうやらおじさんがスタンドプレイで、勝手に人員を一人増やしちゃったみたいなの。
またおじいちゃんは「二人で充分なのにぃ」なんてブツブツぼやいてんだけど、
どうも様子がおかしいのよ。先日に比べて動作が異常に遅い。
足を引きずるようにゆっくりと歩く様は、一週間で急激に老け込んだかのようで。
心配して声をかけると、おじいちゃんはまた例の自嘲気味の照れ笑い。
「いやー、今朝行った現場でぇ、ハシゴから足を滑らせて落っこちてしもうてぇ、
そこから右足が思うように動かんでねぇ。ふひひひ」
おい、大丈夫か !? 今すぐ病院に行った方がいいんじゃ !?
そして、その状態で「二人で充分」と言った根拠なき自信・・・もはや恐怖!

でも、おじさんが勝手にもう一人増員したのは、
別におじいちゃんが足を怪我(おそらく骨折)したからじゃなくて、
単に作業効率を考えて、もう一人熟練者を連れてきたわけよ。
この人はまだ若くて、三十代後半ってとこか。
部品は揃ってるし、ベテランが二人いるしで、もう先週とは作業ペースが全然違うの。
どんどん取り付け作業をこなしていく二人。
それに対して、まったく見守るだけの状態になっちゃったおじいちゃん。
老人ならではの厚かましさで、断りもなく勝手にソファーに座り出し、
やり場のない怪我への憤りも含めてか、今度は聞こえよがしに嫌味を言い出す始末。
「その部品をそんなところに置いてると危なっかしいがねぇ・・・」
「そんなにテープを巻くなんて初めて見るわぁ。不思議なことするのぉ・・・」
でも、もはや体制としては2対1じゃん。
ベテランたちももう遠慮することなく、これまた聞こえよがしに悪口を言い返すわけ。
「ま、何も知らんもんにかぎって、あれこれ吠えるわな」
「こんな常識もわからんようじゃ、業者の資格あらへんがな」
「それなりの仕事もせんと金を貰おうって人とはやっとれんわ・・・ねぇ、お兄さん」
オレ「 !!! ・・・ああ、ははは」
もうおっさん同士の醜いいがみ合いは止めてくれ!
そしてオレを巻き込まないでくれ!

作業も終盤を迎え、相変わらず嫌味を垂れ続けるおじいちゃんに向かって、
我慢の限度を超えたおじさんが言い放った一言。
「・・・おい、どけ! じいさん、邪魔や!」
! オレは見た! ついに立場が逆転した瞬間!
そして面食らったおじいちゃんはオレを見て、例の自嘲面で一言。
「ふひひひ」

辛い! 辛すぎて直視出来ない!
地獄か? ここは地獄なのか !?

やっぱり工事はちゃんとした所に頼むべきという厳しい教訓でありました・・・。

2012年10月5日

エアコン事件。 【中編】

いや、もうね、不安しかないですよ。
友達は「若い兄ちゃん二人が手際良くパッパと作業してくれた」って言ってたのに、
こっちはこのおじいちゃん一人だもの。オレの選択能力&運のなさよ。
そりゃね、この時点でのキャンセルも頭をよぎったけど、
ふと、この道数十年のベテランに任せてみるのもいいかと思ったのね。
若さより経験に賭けてみよっかなと。

で、工事当日。
やってきたおじいちゃんの姿を見て愕然。
想像してた以上にヨボヨボ! 推定70歳オーバー! 本当に大丈夫か !?

でさ、到着するなり、「私一人で充分や、言うとるのにぃ、後でもう一人来るんですわぁ」と。
言ってる意味がよくわからなかったんだけど、とりあえず部屋に上げると、
さっそく取り付けの段取りを始めてくれたのね。
すると、開口一番エラいことを言い出した。
爺「車まで道具を取りに戻るんやがぁ、一人じゃ持てんもんでぇ、アンタ一緒に付いてきて」
アンタ呼ばわりで、急にタメ口でバイト君扱い! 聞いてないよ!

そうこうしてるうちに、後から五十代くらいのおじさんがやってきて。
この人はね、いかにも人のいい快活な業者さんって感じで、
口調から行動からテキパキしてんの、おじいちゃんとは違って。
終始敬語で丁寧な対応をしてくれて、働き盛りを絵に描いたような人で。
おじいちゃんがオレに何か頼もうとすると、ちゃんと注意もしてくれる。
「いやいや、お客さんにそんなこと頼むなんて失礼でしょ!」って具合に。
そうしておじいちゃんにも的確な指示を出して・・・え? ベテランに指示?

で、しばらく観察してるうちに二人の関係性が見えてきたんだけど、
定年後にエアコン取り付け・取り外しの会社を起こしたおじいちゃんと、
何の因果かそこで働くことになったベテラン作業員って構図なのな。
要は、おじいちゃん自身はベテランでも何でもなく、
起業してから見よう見まねで作業を覚えただけの、素人に毛が生えた程度の人なわけ。
その社長が、今度の作業は一人で大丈夫、なんて言い出した。
そりゃ不安だってんで、おじさんも無理に同行したって次第で。
社長と部下の関係で、年齢も下だけど、やっぱ経験は全然違うわけじゃん。
そんなだから、おじさんはおじいちゃんの身勝手な行動に辟易してるし、
おじいちゃんは部下が自分より仕事が出来ることに不満を持ってるし、で。
つまりアレですよ、新人バイトが一通り、最低限の作業を教えられて、
上司がいると気が詰まるから、根拠のない自信で「もう一人で大丈夫っス!」みたいな。
で、実際に一人でやらせると、何も出来ない、みたいな。
社長だけど、現場ではそんなバイト的な立ち位置なのよな、このおじいちゃん。
一方おじさんの方はというと、自分より仕事が出来ないのに、
一丁前な口を利こうとするおじいちゃんに強い不満を持ってるものの、
とは言え、やっぱり自分の雇用主だから、あまり強くは出られない、みたいな。
おじさんにとっては、おじいちゃんがいなければ仕事にありつけない、
おじいちゃんにとっては、おじさんがいなければ作業が捗らない。
要は、お互いがお互いを邪魔だと思ってんだけど、排除出来ない関係性なのな。

だからさ、どうも変な空気が漂ってるわけよ。
おじさんが改めて段取りを組み直して指示を出すも、
指示の内容を充分に理解出来ないおじいちゃんに対し、おじさんは露骨に呆れ顔。
おじいちゃんの姿が消えると、こっそりオレに耳打ちしてくるおじさん。
「いやはや、恥ずかしいところ見せてしもうてすんません。
しかし、あれで一人で大丈夫なんて言い出すんですから、なんとも呆れますなあ」
おじさんの姿が消えると、誰に言うでもなく、こそっと呟くおじいちゃん。
「わしはこっちのやり方でいいと思うんやけどなぁ・・・」
そして上目遣いでオレの方を見て、照れ隠しなのか、自分を嘲るような含み笑い。
「ふひひひ」

・・・もう嫌だ! このピリピリした現場から逃げ出したい!
どうしてオレが、こんな嫌な気分にならないといけないんだ !?

(つづく)

2012年10月4日

エアコン事件。 【前編】

おっと、気が付けば約半年ぶりの更新。
で、その前は三ヶ月ぶりの更新。
もはや季刊誌。いや、それ以下。号外並み?

そんなわけで、すっかり古い話で恐縮ながら、五月下旬のこと。
夏を控えて、引っ越してきた部屋にもそろそろエアコンを付けなきゃなあ、と。
リビングと寝室の二台必要なんだけど、いきなり二台を買う金はない。
で、一台はネットで新品を買って、一台は友達が使ってない中古を貰う、ということになって。

さて、次は取り付けなんだけど、取り付け工事って結構高いのよね。
室外機を天井から吊すタイプだったら特別施工費として数千円増しだったり、
壁が鉄筋コンクリートだったら、これまた特別施工費として数千円増しだったり、
中古のエアコンだったらいろいろと難癖付けられて数千円から数万円増しだったりで、
軽く見積もったら8~9万円ほどになっちゃって。
だったら工事費込みで新しいエアコン買えるよなあ。

で、古本屋を営んでる友達にそのことを話したら、
「いやいや、今はもっと安く請け負ってくれる業者がいますよ」と。
「うちの店もこないだエアコンを取り外しましたけど、たったの3000円でしたよ。
ヤフオクで落札したら若い兄ちゃん二人が来て、手際良くパッパと作業してくれました」と。
ヤフオク? 落札? しかも3000円 !? めちゃくちゃ安いじゃん!

さっそくヤフオクで検索してみると、確かに業者がたくさん出品(?)してるのな。
「【大阪】 格安エアコン取外し・取付け・処分 3000円~」みたいな。
で、落札価格がそのまま工事基本料となって、そこに特別施工費が加算されるってシステムで。
これって自社ページを持つより断然集客効果があるわけで、
そりゃ価格競争は激しくなるものの、上手いやり方だよなあと。
落札側は「工事に入札する」っていうゼネコン気分も味わえるしね(笑)。

で、多数ある業者の中から「値段」と「文面から漂う信用度」で一社を選択して落札し、
記載されてた番号に電話をかけると、電話に出たのはおじいちゃん。
オレ「あのー、先ほどエアコン工事を落札した者ですが、施工代の詳細をお聞かせいただきたくて」
爺「あー、見てみんとはっきりとはわからんですがぁ、工賃は先払いでお願いしとるんですわぁ。
中古のエアコンですとぉ、壊れとる場合もありますよってになぁ、
工事したのに動かん、おまえが壊したんやろぉ、言うて、払うてくれん人もおるんですわぁ。ふひひひ」
・・・・・なんだこいつ?
おそらく電話番なんだろうけど、ファースト・コンタクトがこの接客ってどうなのよ。
バイトかなあ、困っちゃったなあ、なんて思いつつ、一応特別施工費を尋ねてみる。
爺「室外機は天井からの吊り下げですかぁ。その程度ならタダで結構ですよぉ。
そのかわり、手伝ってもらわんといかんですがなぁ。私一人じゃ持ち上げれんもんでぇ」
・・・・・えっ、おまえが来んの !? しかも一人 !!!?

(つづく)