数ヶ月前のこと。彼女が働く会社にお中元の小包が届いたんだって。
個人宛てじゃなく会社宛てに届いたもので、送り主を見ると聞き覚えのない会社。
お中元を送ってくるからには、おそらく何らかの取り引きはあるんだろうけど、
社長を含む数名が外出中だから、どう関わりのある会社なのかわからない。
で、個人宛てじゃないんだし、とりあえず開けちゃっていっか、
お菓子ならいただいちゃおう、なんて思いながら小包を開封したんだと。
すると出てきたのは謎の円筒状の物体が数個。
サイズ的には紅茶缶程度の大きさで、
雑貨のようにかわいくて小洒落たパッケージが目を引くものの、
さっぱり用途がわからない。もちろんお菓子でもない。
なんだこれ? ただのインテリア?
側面には送り主の会社名、そしてその上には「TENGA」の文字…。
…TENGA !? これがあのTENGAなのか !?
隣にいた同僚の五十代のおばさんはまだ理解できない様子。
「これ何? TEN…GA?」
「あ、これは男の人の…ゴニョゴニョ」
しどろもどろになりつつもなんとか理解してもらい、
おおらかな社風のせいか、そのおばさんも「あー」という一言で事なきを得たらしいけど、
これってなんでもハラスメント化するこのご時世では大問題にもなりかねない事案よなあと。
これを「洒落」の一言で済ませられる悠長な時代じゃないでしょ。フェミニスト激怒必至でしょ。
でもTENGAをわざわざオリジナルデザインで発注して、
あえて風潮に抗ったそのマインド、オレ、嫌いじゃないよ。
彼女に二つ持って帰ってきてもらったしネ!
NHKのノンフィクションで見たちょっといい話。
震災で被災し、今でも仮設住宅暮らしの家族が
小さな食堂を始めようと奮闘する様子が取材されてて、
それ自体はまったく揶揄しようもない、人間賛歌なドキュメントなんだけど、
食堂の内装の件で話をするため建設会社に向かうシーンで、
奥さんが乗り込んだ軽自動車のシートがマリファナ柄…。
感動話が一転、トホホ感に襲われた次第であります。