2013年12月6日

MNP、キテるね。

昨日に続いてまたスマホの話題で恐縮なんだけど、オレ的には結構衝撃的だったんで情報を共有。これって案外みんな知ってることなのかな。オレが知らなかっただけだったりして。

iPhone 4Sを買って二年が経ち、ようやくローンも終了。脱獄状態から再び入獄するのは嫌だけど(iOS7はまだ脱獄出来ない)、そろそろ5Sに機種変してみるのもいいかもね、とネットで調べてまして。どうせなら月々の携帯代も安くあげたいよなあ、なんてMNPも考慮して。そうしてわかったこと。…日本の携帯キャリアって狂ってる!

まずオレはauに毎月7500円ほどを払ってて。LINEと家族割のおかげで電話代はほとんどかからないから(電話する友達もいないので…)、純粋に基本料や通信費、iPhoneのローン(毎月800円ほど)を合計した額がこれ。で、せめて6000円台に出来ないかなあ、と常々思ってたのよね。

さて、iPhoneを機種変するとなると5Sか5Cだけど、ネットだと今さらiPhone 5を買ってる人も結構いてね。なんで?と思って調べると、一括0円でキャッシュバックがあるからだとか。さて、一括0円とは何ぞや、って話。

0円には「実質0円」と「一括0円」があってさ。実質0円とは、iPhoneって本来は6~7万円とかするわけじゃん。それを二年間、24回の分割払いにして、例えば毎月3000円。その3000円を二年間、当社と契約されているかぎりは全額負担しますよ、ってシステム。つまり二年間持てば0円で入手出来たことになるんだけど、これはあくまでローンであって、キャリアが契約期間内は3000円を毎月「負担してくれている」わけだ。だから例えば、一年後に「やっぱソフトバンクにMNPするっス」ってことになると、「じゃあもう負担しないから残りを一括で払ってね」と、残額36000円をドーンと請求される。これが俗に言う「二年縛り」で、そんな大金を払うぐらいなら、と二年間はそのキャリアから抜け出せなくなってる仕組みで、オレは今でもこれが当たり前だと思ってたの。キャリアってそういうもんだろうと。

で、ここ最近は一括0円ってのが登場してね。これは言葉通り、スマホが0円で入手出来ちゃう。ローンもない。その場でポンとプレゼントしてもらうみたいなもんで。だから人気のiPhone 5Sや5Cは「実質0円」、投げ売り状態のiPhone 5は「一括0円」で売られてるのね。

一括0円はあくまで新規やMNPでの話で、機種変に一括0円はない。やっぱりキャリアはどこも新規の客が欲しいのね。でもMNPって実は結構お金がかかるのよ。日本の各キャリアには「二年単位で契約」って変なシステムがあって、例えば12月にドコモと契約をすると、二年後の12月、四年後の12月、六年後の12月、にしか解約出来ないの。なんだそりゃ。で、その月以外に解約しようとすると、9975円の違約金を取られるのな。わけがわかんないけど、そうなってるからしょうがない。それに加えて、事務手数料として前のキャリアに2000円程度、新しいキャリアに3000円程度。つまりMNPをしようとすると、二年に一度の解約可能な月じゃないかぎり、約15000円がかかると。

上で記した実質0円の「じゃあもう負担しないから残りを一括で払ってね」同様、この15000円もMNPの足枷になってるでしょ。で、ここに登場したのがキャッシュバック(CB)でね。例えばiPhone 5の例で言うと、「一括0円 CB2万円!」なんて売り文句があったり。これはつまり「本体無料、さらにMNP費用を負担しまっせ、おまけに5000円あげまっせ」ということ。ちなみにこのCB、大阪ではいまいちなんだけど、東京では「CB5万!」「CB7万!」とかCB合戦が過熱してるんだとか。すげー。

古くなったiPhone 5といえど元は数万円で仕入れてるだろうし、さらにCBでも数万円を使い、そこまでして新規の客が欲しいのか?と思うんだけど、そう、欲しいんです。もちろん通信費目当てだけど、MNPの場合、例えばauからソフトバンクに客が一人流れると、ソフトバンクにとって「+1」だけじゃなく、au側は「-1」、つまり合計「2」の差が付くわけだからね。各キャリアは喉から手が出るほどMNPの客を欲しがってる。

さて、ここまで読むとひとつの疑問が湧いてくるはずで。今までは「実質0円(=2年ローン)」「MNP費用15000円」という、二年間キャリアを離れられないようにする足枷があった。だからスマホ本体を安く売ることが出来た。けど、それらの足枷がなくなったら、次々とMNPをされたら大損なんじゃないの?って。ここがオレもずっと疑問でさ。まさかキャリアが身銭を切るような真似はしないだろうし、どこかにカラクリがあるんだろうと。しかし結論を言うと、おそらくそんなカラクリはない。つまり、「一括0円」にして「CB2万円」まで払って、なのに一年で契約解除されちゃう(他のキャリアにMNPされちゃう)かもしれない。すると違約金9975円は取れるとしても、それでもキャリアは大損。しかし「そこまでして新規の客が欲しい」んだよな。そういうMNPを繰り返す輩ってのはあくまで少数派で、普通の人なら機種変も面倒だし、そのまま二年、三年と使い続けてくれるだろうと。実際、同じキャリアを十年以上使ってる人(得に年配の方)も多いしね。そういったある意味大甘な考え方で今のキャリアは成り立ってる。

あと、上記の「そこまでして新規の客が欲しい」の続きだけど、新規やMNPだと月々の通信費なんかも大幅に割引きされんのな。最初に書いたように、オレの毎月の支払いがiPhoneのローン抜きだと約6500円。それが新規・MNPだと二年間は約3500円! 約半額!  で、二年経つと割引きがなくなって6500円に値上げされる仕組み。これって完全にオールドユーザーを舐めてるよな。何年も同じキャリアを使い続ける客を情弱扱いしてるとしか思えない。以前から応援してくれてるようなファンにこそサービス還元するのが本来あるべき姿だとオレは思うけど。

では客の立場で考えたらどうなるか。少し古い機種(それでも充分現役)でよければ、「一括0円、CB2万」の場合だとタダで本体が手に入り、その上5000円が貰えるわけだ。で、今使ってるスマホ(オレの場合はiPhone 4S)が1〜2万ほどで売れるでしょ。じゃあ、それを毎年繰り返したら…。毎月の携帯代は延々3500円で、毎年新品(そのころは5Sが一括0円になってるはず)がタダで手に入り、MNP費用も無料でお小遣いまで貰え、一年間使ったスマホを売って数万もゲット…。ギャー、夢のエンドレス錬金術ですよ! そんな歪なシステムを作り出しちゃったのはキャリア自身なんだから、悪用(?)しても文句を言われる筋はない!

あ、忘れてた。もうひとつ、キャリアメール(各携帯キャリアのメール)って足枷もあるよね。abcde@docomo.ne.jpとかabcde@i.softbank.jpとかのアレね。MNPで電話番号はそのまま使えるけど、メールアドレスは変更せざるを得ず、みんなへの連絡とかちょっと面倒臭い。でもこのキャリアメールって実は日本だけの文化なのよな。せっかくのスマホなんだからPCメールでいいじゃんと、海外ではGmailやらHotmailなんかを使うのが当たり前なんだとか。じゃ、GmailかHotmailで新たにメアド取って、それをスマホ専用にすれば一切の足枷がなくなるじゃん、と。後はどれだけMNPやっても自由じゃん、と。あと、キャリアメールよりフィルタリングが楽という利点もある。つーことで、オレのスマホのメアドは「sezaki_mobile あっとまーく live.jp」に変わりました。未登録な方、変更よろしくです。

そもそもなんでこんなことになってるかというと、海外では「スマホを売る会社」「回線を使わせる会社」が別なのよな。例えばアップルでiPhone買って、AT&Tと契約、みたいな。だから日本ほどiPhoneは売れてないし(そりゃ一括で7万はなかなか出せんわな)、日本のような歪な値引き制度もないし。もうそろそろキャリアも純粋に回線を使わせる会社に変わるときなのかもしんない。キャリア同士の疲弊合戦も限界だろうに。

つーわけで、ネットでCBの大きい店を調べたり実際にショップに電話したりしてiPhone 5を買いに行きましたが、…ガーン! 時の流れの速さよ! すでに5Cも一括0円&CB1万円、5Sすらも一括0円(さすがにCBはなし)! ムム、迷う…。店頭で熟考した結果、5Cの32GBにしますた。5Cの中身って5と一緒なんだけどイエロー(ももクロでいうところの玉井)のキュートさに玉砕…。しかし5Cの32GBでも一括0円、CB5000円。すげーな、日本。

ただ、この一括0円&CBという狂った新規獲得合戦がいつまで続くかわからないし、一括0円の場合は数ヶ月間オプション必須(毎月1000円ほどかかる不要なアレ)、CBは数ヶ月後に支払いとか、敵もさる者ですぐに再度MNPが出来ないようには考えられてる。あと、三ヶ月以内にMNPするとブラックリストに入れられて、もうそのキャリアと契約が出来なくなるという噂もあったり。ま、こうでもしないと毎月(毎週?)MNPするバカとか出てきそうだもんなあ。そういう「加減のわからないバカ」のせいで世間の利便性が奪われる、ってのは往々にしてある話で。

そういうわけでみなさん、良きMNPライフを!