2012年1月20日

さよなら、SARASA。 【後編】

さて、友達の協力を得て20年振りにSARASAと再開したオレ。
早く聴きたいし、永久保存のためのデジタル化にも着手したい!
SARASAをiPodで聴ける日が来るなんて・・・高校生のオレよ、未来はすげーぞ!

そんなはやる思いと裏腹に、うちにはカセットを聴く手段がないわけで。
さっそくヤフオクを覗くと、もちろんウォークマンは腐るほど出品されてる。
ただ、ちゃんと動作するものは送料を含めると1000~2000円程度はすんのよね。
どうせ一回しか使わないんだから、だったら500円以下で手に入れたいよなあと。

で、次に近所のリサイクルショップでウォークマンを探すと、
まだ年寄りには需要があるのか、1000~2000円ほどの結構な値段が付いてんのな。
てっきり300円ぐらいで投げ売りされてると思ってたのに。
そこで、ネゴシエーター・オレの出番ですよ。ちょいと店主と交渉することにしまして。

まず、検討したのはAIWAのウォークマン1000円、SONYのウォークマン1500円。
ここは昔のオレじゃないぜ、とSONY製をセレクト(笑)。
このウォークマンはひとまず値札通りの1500円で買うけど、
オレはカセットを1本聴きたいだけなんだ、ということを伝えて。
だから明日には返すから、その際このウォークマンを1000円で下取りしてくれないかと。
つまりは、このウォークマンを一日500円でレンタルしてくれないか、って提案をして。
冷静に考えるとウォークマンのレンタルが一日500円ってかなりの高条件でしょ。
だから向こうも了承してくれて、晴れて交渉成立。

喜び勇んで帰宅してさっそくテープを聴くと、さすがは当時のインディーズカセット。
元々劣悪な音質なのに、そこに経年劣化も加わって、ゴリゴリの恐ろしい音質に。
それでもPCで加工すりゃなんとかなるかとイヤホン端子からPCに接続し、
いざ録音を始めると、さっきイヤホンで聴いたより酷い音になっちゃって、
暴走族の爆音を風呂の中で聞いてるような、何がなんだかわからない音に。
もはやただのノイズで、到底PCで加工してなんとかなるレベルじゃないのな。
やっぱイヤホン端子から直接PCのラインインに繋げちゃダメなのかなー、などと思いつつ、
ふと買ってきたウォークマンを見ると「MEGA BASS」の文字が。
あったわー、当時低音をことさら強調した重低音仕様のウォークマンが。
しかもこの機種は通常音質との切り替え式じゃなく、メガベースでしか再生出来ないのな。
なるほど、この劣悪な音質の原因はこれであったかと。
だったらAIWA製にしときゃよかったなー、なんて思っても後の祭り。

で、明日このウォークマンを返しに行って、
今度はAIWA製のウォークマンで同じ契約をするのは可能だろうけど、
やっぱイヤホン端子から直接PCのラインインに繋げるってのは限界があるのかなと。
だったら出費は嵩むものの、機能に特化した専用品を買った方がいいのかなと。
つーわけで、Amazonで注文しましたよ、「カセットテープをMP3に変換するプレイヤー」。
金はないけど、SARASAのためならしょうがない。

さて、次の日ウォークマンを返しに行って。
無事1000円は返ってきたけど、無駄な出費になっちゃったなー、なんて思いつつ帰宅。
Amazonから商品が届くのを楽しみにしつつ、
その前にカセットレーベルのスキャンを済ましておくか、とケースを開く。
・・・ん? 中身がない?
・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・。

ゲゲーッ! 返したウォークマンの中にテープ入れたままだった !!!

慌ててリサイクルショップに戻ると、
店主の「あー、さっき売れちゃった」という呆気ない一言。
嘘でしょ !? 返してから一時間経ってないぜ !?
こんなタイミングってある !? 今巷でウォークマンが大人気 !?

こうして結局一度もSARASAをまともに聴けないまま、
希少なテープは姿を消してしまったのでした。
その後、テープをなくしたことを友達に謝り倒し、
目的を失った例のプレイヤーがAmazonから虚しく届き、
しょうがないのでうちにあったどうでもいいカセットをPCに取り込むと、
なかなかの高音質で、それがまた後悔に輪をかけたわけで・・・。
ケチらずに初めっからこれを買っときゃよかった・・・。


■ 今日のiPhone話。
缶ジュースやお菓子なら「不味くてもいっか」と多少の冒険すら出来るのに、
アプリに85円出すのってどうして躊躇しちゃうんだろ。
このアプリ、買おうかどうしようか二ヶ月ほど迷ってます。

おじさん一週間