2014年6月12日

反原発の唯一の理由とは。

前々回前回からのつづき。
美味しんぼ騒動から早一ヶ月以上が経って、
もはやそんなこと取り上げてるブログなんてどこにもないけど、それでも書くよ!

で、正義だったはずの人たちが結果的に健康被害を願うようになっちゃった、
もうひとつの理由は「反原発を訴えるため」だと思うのね。

もちろん原発反対・再稼働反対って声はあって然るべきだし、
オレだって将来的には原発をなくしたい段階的脱原発派なんだけども、
どうやら反原発派の中にはこう考える人たちもいるようで。

福島第一原発周辺住民ならびに福島産の農作物を食べた人から
明確な健康被害が確認されなかったら、反原発の最大の論拠を失っちゃう。
「なんだ、原発事故といっても案外怖いもんじゃないんだ」なんて思われちゃう。
だから今後も脱原発を訴えるためには福島で健康被害がないと困る、と。

いやいやいや! 不謹慎な言い方になるけど、今回はラッキーだったのね。
三年前の事故では地震の直後、核分裂の連鎖反応を止める制御棒ってのが作動したんだけど、
もし何らかの理由でこの制御棒が作動してなかったら…と考えるだけでも恐ろしい。
間違いなく被害はこんな程度じゃ済まなかっただろうし、
次に事故が起きた際も制御棒が作動するかというと、100%の保証なんてないんだから。

前々回の繰り返しになるけど、福島での健康被害に話を戻すと、
事故の影響で甲状腺癌が今後0.1%増えるのか、0.2%増えるのか、まったく増えないのか、
わからない現段階ではっきりと「今後も健康被害はまったくない」とは断言出来ないけれども、
とりあえず「明確な健康被害は起こらなかった」。これが事故から三年経った現時点での結果。
だからこそ、鼻血がどうこうって悠長な話で世間が騒いでるわけで。

だから、反原発を訴えるなら、その理由は「福島では云々」じゃなくて、
「次に事故が起きたら何が起こるかわからないから」しかありえないんだよね。
なのに、風評加害者になりかねないってリスクがあるにもかかわらず、
福島での健康被害にこだわる理由がオレには全然わからないんだけど。
なんか事故や被災者を都合良く利用したいだけなんじゃねぇの?なんて邪推もしちゃう。

というか、反原発運動をしてる人たちを見てて以前からオレが不思議に思ってるのは、
上で書いたように「原発反対・再稼働反対って声はあって然るべき」ながら、
まずは明日来るかもわからない大地震に備えて、
原発をなくすよりは簡単な、より高い防波堤なんかの津波への徹底対策と、
何が起こっても電源喪失しないよう原発内部構造の再度見直しを訴えるべきで、
兎にも角にも「今の安全」を確保してから、
「未来の安全」を願って原発反対する、ってのが順番として正しいんじゃないの?
なのに、原発反対!って声は大きいのに、
まず地震・津波への徹底対策を!って声はほとんど聞こえてこない。
その順番がおかしいから、安全を願ってるというより、
「自分が正しいことを証明するため」に声を上げてるように見えるんだよな、オレには。

ま、「放射能で鼻血が出た」なんてデマに踊らされてるようじゃ、
原発撤廃なんてまだまだ無理だろうなあ、と思う。推進派の思う壺。
反原発の人こそ科学的に「んなアホな」と否定出来るようにならなきゃいけないのに。

自分の意見に都合がいいからと味噌でも糞でも利用するような人間にはなりたくないもんだ。