2011年3月18日

生活保護の話。

さて、貧乏話のつづき。

オレがこのまま職を失って、ずっと次の仕事が決まらなかったとして、無職の行き着く先、終着点を考えると、生活保護に辿り着くわけね。ま、さすがにそれはありえないだろうけども、とは思いつつ、悪評高い生活保護とやらについて少し調べてみたですよ。2chなんかだと「受給してます」ってだけで「死ね」と総攻撃される生活保護、その実態はいかがなものかと。そしたらすげーのな、生活保護って。悪評の理由は不正受給なんかもあるだろうけど、実際にはやっかみ半分、いや、90%ぐらいじゃないの。独身の場合、現金支給は13万程度でさ(オレの先月の収入!)、それだけでも不労所得としちゃ充分なんだけど、ここに医療費無料やら税金控除やらが加わって、実質的には働かずして月収20~25万円程度の暮らしが出来るわけ。月収17、18万なんて人もザラにいるこのご時世でよ? そりゃね、本当に訳あって働けない人が受給する制度なんだから、それを非難するのも羨望するのもお門違いなんだけど、それでもオレは言いたい。・・・羨ましすぎる夢のような生活! もちろん制約は多々あるわけよ。家賃の上限があったり、車を持てなかったり。でも、そこに重きを置かない、とにかく最低限生活が出来て、自由な時間があることを贅沢と感じるオレのような人間にとっちゃ、夢のような暮らしよなあと。

ここで思い出したのが青木雄二の「銭道」にあったこんなやりとり。生活保護を受給して貧乏ながらも毎日ダラダラと無職生活を送る穴熊君(仮名)への質問。
そんな彼に、僕はつい愚問を言ってしまいました。「毎日目的もなく、ただぶらぶらと遊んでおって、飽きんのか?」すると穴熊君は「朝起きて、今日は何曜日だったかな、何曜日でもいいけど今日は何やろうかなと思う時くらいの幸せはありません。まったく飽きない。自分だけの時間がたっぷりある、これ以上の幸せはないと思う」と言いました。同感であります。これを贅沢と言わずして、何を贅沢と言えばいいのでしょうか。
オレもまったく同感であります。紀行小説の名著「深夜特急」なんかを読んでも、旅行云々じゃなく、その時間の流れに憧れるクチ。旅先の情景以上に、予定のない怠惰な毎日にたまらない魅力を感じちゃうんだよなあ。

生活保護と聞いたらさ、「人としてそこまで堕ちたくない」なんて思ったりするじゃない? でも、堕ちるも何も、本来はやむを得ず受給するものなのよね、死を回避するために。でも生活保護とは何ぞや、ってことを知ってしまうと、「そこまで堕ちたくない」なんて思っちゃうこと自体、そのシステムを享受させないための洗脳教育じゃないの?なんていぶかったりもして。だって子供のころにこんな制度知ったらさ、「将来の夢は生活保護です」なんて言い出す子も現れるよ。あ、いない? オレだけ?

ま、もちろん今のオレが受給出来るわけもないし、夢物語に過ぎないんだけど、生活保護が夢って時点で、自分が本当に根っからのダメ人間なんだと自覚した次第であります。働きたくなーい。


■ 今日の一曲
何年か前にラジオで知った、HALCALI meets ラブ・サイケデリコ、な佳曲。作曲は中シゲヲ(ザ・サーフコースターズ)。いい仕事してます。

Plum Planets - Free Ride -Girls Just Wanna Have Fun-